2014年4月16日に沈没した韓国の豪華客船セウォル号。
そのセウォル号のオーナー(運営会社社長)ユ・ビョンオン氏は、逃走。
その2か月後に白骨死体として見つかっています。
資産240億円ともいわれるユ・ビョンオン氏。カルト宗教「クオンパ」の代表やフォトグラファーとしての顔もあったようです。いったい何者なのでしょうか。
2014年セウォル号オーナー、ユ・ビョンオン遺体で発見
2014年4月16日に沈没したセウォル号。
そのオーナーとして指名手配されていたユ・ビョンオン氏の遺体が、2014年6月12日に発見されました。
警察によると、兪容疑者の遺体は先月12日、順天市のサービスエリアから2.5キロ離れた畑で発見され、骨が露出するほど腐敗した状態だったという。
警察関係者は「発見当時、白骨化が80%ほど進行した状態だった」と伝えた。
死体を発見した警察は身元不明者と判断し、解剖検査を進めたが、腐敗が激しく、身元を示す正確な特徴を見つけることができなかった。
-2014年7月22日 TONHAP NEWSよりー
2014年6月12日の段階では、白骨化が進んでおり、すぐに身元の特定ができない状態でした。
遺体が指名手配中だったセウォル号のオーナー、ユ・ビョンオン氏と断定されるまで、1か月以上の時間を要しました。
遺体が白骨化するまでには、夏場では1週間~10日ほどかかるようなので、6月12日の時点では死後1週間ぐらいだったのかもしれませんね。
記事によると、ユ・ビョンオン氏の遺体は
- 80%白骨化
- 畑にあった
- 仰向け
- 酒の瓶(マッコリと焼酎)を持っていた
- 痩せていた
という状態でした。
ユ・ビョンオン氏は普段お酒を飲まないため、逃走のストレスで飲み始めたが、持病の糖尿病により、低血糖ショックで死亡したのでは?と考えられているようです。
資産240億円!ユ・ビョンオンのWiki風プロフィール
資産240億円ともいわれるセウォル号の実質的なオーナー、ユ・ビョンオンさんのプロフィールを見てみましょう。
- 名前:ユ・ビョンオン
- 生年月日:1941年2月11日
- 没年齢:73歳
- 出身:京都市
- 職業:実業家、宗教家、写真家
実業家「セモグループ」を所有
漢江遊覧船事業を運営する会社を経営していたユ・ビョンオン氏。
1990年代にはセモグループを設立しました。
セモグループは、一時は造船や建設、遊覧船、海運などに進出するほど規模を拡大しました。
しかし、漢江遊覧船事故で経営難に陥り、1997年に経営破綻。
1999年に清海鎮海運を設立し、実質的オーナーとなっています。
カルト宗教(クオンパ)の代表
ユ・ビョンオン氏は、「キリスト教福音浸礼会」の代表でした。
は、韓国のキリスト教主要教団から異端カルトと認定されている「救援派(クオンパ)」3つのグループのうちの1つでです。
「キリスト教福音浸礼会」は、もともとユ・ビョンオンさんの妻の父が興した「自称キリスト教系」の新興宗教です。
億万長者写真家「アへ」の一面も
ユ・ビョンオン氏は、韓国国外では億万長者写真家「アへ(Ahae)」としても知られていました。
自然写真を好み、自分の撮影した写真で作ったカレンダーを関連会社に買わせるなどしていました。
ニューヨークのグランドセントラル駅、プラハ国立美術館、ヴェルサイユ宮殿などで大規模な個展を開いたこともあり、ファンも多かったそうです。
ユ・ビョンオンの家族構成
長男:ユ・テギュン
長男のユ・テギュン氏(当時44歳)は2014年7月に韓国国内で逮捕されました。
次男:ユ・ヒョクギ
次男のユ・ヒョクギ氏は、2020年7月にアメリカで逮捕されました。
ユ・ヒョクギ氏は、「セウォル号」の運航会社「清海鎮(チョンヘジン)海運」などを抱えるセモグループの持ち株会社の筆頭株主でした。
ユ・ヒョクギ氏は、ユ・ビョンオン一家が運営していた教会や「清海鎮海運」から1億6900万ドルを横領した疑いが持たれています。
長女:ユ・ソムナ
長女のユ・ソムナさんはパリで逮捕され、2017年6月に逃亡先のパリから強制送還されました。
ソムナさんはデザイン会社「モレアル・デザイン」を経営していました。
系列会社のダ・パンダ社からコンサルタント費用の名目で毎月8000万ウォン(約796万円)ずつ、総額約48億ウォン(約4億7800万円)を受け取るなど、80億ウォン(約7億9600万円)相当の横領・背任の疑いが持たれています。
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